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2011年3月31日木曜日

太陽の牙ダグラム

 昨日の日記に書いたとおり、現在イデオンの製作を進めていますが、その間に近隣のGEOで借りてきた、太陽の牙ダグラムのDVDを観ながら作業をしています。
実は数年前の日記でもさらりと紹介した事も有りますが、何だか書き足りない気がしたのでくどいようですが、もう一度書くことにしました。(実はもう4~5週目になります)
太陽の牙ダグラムは1981年10月から翌翌年83年3月までの1年半、全75話という、ロボットアニメとしては非常に長い期間にわたって放送されたTVアニメです。
監督は、後に「装甲騎兵ボトムズ」の監督を務めた高橋良輔氏と後に「銀河漂流バイファム」で監督を務めた故、神田武幸氏の二人が共同で監督に当たっています。

物語はワームホールを利用する事によって、別の太陽系への航行が可能になった未来。
ワームホールの先にある二重太陽を有する太陽系で発見された植民惑星デロイアがその舞台です。
デロイアは既に植民惑星として130年が経過しており、そこに入植して世代を重ねた人々は、「デロイア人」と呼ばれ、長期間にわたる資源搾取や差別に苦しんでおり、独立を望む一部のデロイア人達は独立運動を展開しています。
そんな時地球連邦評議会議長ドナン・カシムはデロイア出身の高級将校フォン・シュタインと結託して自作自演のクーデターを演出し、デロイアを地球連邦8番目の自治州に昇格させ、フォン・シュタインをその代表に任命します。
このあたりがちょっと難解ですが、つまり別の国家として完全に独立される前に自治州とすることにより、地球とデロイアの支配関係をそのままに維持しようというわけです。
そしてこのクーデターに乗じて武装決起してしまった独立運動勢力は行き場を失い、地球連邦軍から不満分子一掃のターゲットにされていきます。
と、ここでようやく主人公のクリンが登場です。
このクーデター騒ぎに立ち会ったドナン・カシムの3男、地球連邦軍士官候補生のクリン・カシムは父の行動に疑問を感じ、また、ゲリラの指導者で歴史学者のデビット・サマリン博士の感化を受けてゲリラとして戦うデロイアの友人、ロッキー・アンドルー達「太陽の牙」と行動をともにし、ゲリラ達が独自で開発したコンバットアーマー(要するにロボット)ダグラムに乗り込み父親を敵に回してしまいます。

という感じで、政治劇、青春ドラマ、巨大ロボットを絡めた戦争アクションといった複数のテーマから構成されており、非常に複雑なストーリー、ガンダムのようなモビルスーツよりもミリタリータッチにデザインされたロボット、コンバットアーマーを使った戦争描写は非常に泥臭く、若い女性キャラクターも3人しか登場しない(軍人やゲリラのオジサンは山ほど登場します)、クリン達主人公はメインストーリーにあまり絡まない、といった具合で一見して地味な雰囲気のアニメに仕上がっています。
その為、当時のアニメ雑誌では扱いが悪く、また視聴率も今ひとつだったのですが、当時タカラ(現タカラトミー)から発売されたプラモデルの売り上げが好調で、当初1年間50話程度の放送予定が延長されて75話という大長編ドラマになりました。

メカニックは前述のコンバットアーマーの他に、装甲車両、攻撃ヘリ、輸送ヘリ、コンバットアーマー輸送トレーラー等、ミリタリー的なメカニックが目白押しで、これらのメカニックは武骨なデザインを得意とする大河原邦男氏が担当しています。
当時はガンダムがMSVという商品展開をしており、ミリタリータッチのロボットの人気が高く、そこにジャストミートしたようです。 

当時小学生だった僕は、この複雑な政治劇が理解できず、付いていけなかったのですが、30歳を越してからこの作品を見直したところ、たちまち虜になりました。
僕的には政治劇以上に、戦場で仲間達と戦いながら、疑問に悩んだり、前述のサマリン博士や新聞記者のディック・ラルターフ(通称ブン屋さん)といった周囲の大人達に諭されたりしながら成長していく、「血まみれの青春ドラマ」の部分が大きな魅力です。

長いシリーズでもあり、魅力的な登場人物がたくさん登場するアニメなので、ここではとてもその魅力について書ききれませんが、興味を持った方は是非一見して欲しい作品です。

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